- 京都謎解きミュージアム巡り「古き学び舎と封印の石」
- 施設型 京都市 2019年3月26日まで
事例紹介:京都市教育委員会様
2019年1月17日(木)から2019年3月26日(火)まで、京都市内で開催されたリアル謎解きゲーム、京都謎解きミュージアム巡り「古き学び舎と封印の石」。本作の主催である、京都市教育委員会事務局生涯学習部の那須様の生の声を取材いたしました。
インタビュー概要
テーマ: リアル謎解きゲーム導入についての期待と効果
インタビュイー: 京都市教育委員会事務局 生涯学習部
生涯学習推進担当 博物館事業振興担当
(京都市内博物館施設連絡協議会事務局) 那須 如実
インタビュアー: DAS株式会社 小川 真輔
---Q1.謎解きを導入した目的は何ですか?
これまで、博物館や美術館などの「ミュージアム」を訪れる機会が少なかった方にも実際に足を運んでもらい、楽しみ、親しみ、関心を持っていただきたいという想いがありました。
---Q2.謎解きを開催した背景にはどのような課題を抱えておられましたか?
今年(2019年)9月に、ミュージアムの国際組織「国際博物館会議」の世界的な大会が、京都で開催されます。大会の開催をPRするとともに、これを機会に、専門家だけではなく、一般の方にも博物館を楽しんでもらえるような記念イベントを検討していました。
これまでも様々な記念イベントを開催していましたが、参加者層が中高年以上に偏りやすい傾向がありました。幅広い年代に参加してもらうために、10~20代にも興味をもってもらえるような企画が必要だと考えていました。他にも、幼児対象のイベントも実施しましたが、今回は小中学生でも参加できて、しかも子供だましにならない、大人も楽しめる企画として謎解きがとても有効だと考えました。
ただ、「教育委員会が作ったイベント」と聞くと、全く面白そうなイメージではなくなってしまうのでは…と悩んでいました。
---Q3.謎解きを導入した結果、どのような効果がありましたか?
当初は、学生さんや若手社会人の方など若年層だけが興味を示してくれるのかと思っていたのですが、小さいお子さん連れのファミリー層から、60代のご夫婦まで、幅広くご参加いただけました。
「普段来館されることが少ない客層にもお越しいただけた。」と会場館からも教えていただきました。
各ミュージアムの入館者数も例年に比べると着実に増えたようです。会場の一つ、京都市学校歴史博物館では、館独自の取組が好評だったこととあわせて、年間入館者数の過去最高記録を更新しました。
アンケートを取ってみると「京都のミュージアムは初めて来たけど、展示が意外と面白かった」「謎解きが面白くて時間を取られてしまったので、今度改めてゆっくりと見学に来たい」などと好評でした。
---Q4.各ミュージアムでの反応はいかがでしたか?
最初はどの館も「面白そう!」と言っていただきましたが、実際に開催時期が近づいてくると「こんなイベントやったことないけど、大丈夫かな?」と不安そうにしていらっしゃいました。
ただ、イベントを通じて手ごたえもあり、最後は「期間延長しましょう!」と言って頂いたり、その意見にすぐに賛成していただいたりしました。
普段とは違う入館事務や案内などの対応もあったはずですが、来館者に喜んで欲しいという各ミュージアムの想いに、イベントを支えていただきました。
---Q5.人気声優を起用した狙いは?
私自身もスマートフォンでゲームをすることがありますが、イラストやキャラクターボイスは、ゲームに大きな魅力を与える要素だと感じています。プロの声優さんにお願いすることで、登場キャラクターに命を吹き込んでほしかったというのが理由の一つです。 また、今勢いのある声優さんにお願いすることで、アニメやゲームが好きな方にも興味を持ってもらいたかったということがもう一つの理由です。「教育委員会のイベントだけど、人気声優まで起用しているし面白そうじゃないか」と思っていただけるのではないかな、と。
実際に、参加者アンケートを拝見しますと、アニメやゲームが好きな方や声優ファンの方から「京都のミュージアムは来たことが無かったけど、来てみたら面白かった」というご意見もたくさんいただきました。
---Q6.この謎解き作品を通じて参加者に伝えたかったことは何ですか?
いっぱいありました(笑)
まずはやはり「国際博物館会議京都大会」が開催されることと日本初の小学校「番組小学校」が創設150周年を迎えたということです。
番組小学校の創設というのは、明治初期、東京遷都で人口が激減し、経済も治安も悪化しかけていた中で、京都に残った人々が手掛けた大事業の一つです。いわば暗黒時代でも諦めずに未来志向を保ち続けた希望の象徴なんですよね。
そして、個性豊かなミュージアムの魅力。参加者のみなさんに実際に来館いただいて、決して堅苦しい・難しいだけの場所ではなく、気軽に訪れて楽しめるところだということを体感していただきたかったんです。
ヒロインである陰陽師見習いの少女・しずくも、最初は「ミュージアムなんて難しそうだなぁ、退屈そうだなぁ…」と食わず嫌いなことを思っていて、ミュージアム巡りをすると「意外と面白かった」と考えが変わるのですが、参加者も同じように感じていただけたのであれば嬉しいですね。
---Q7.もし、謎解きゲーム作品の次回作を作るとしたらどのような作品したいですか?
行政として何かを企画させていただく際、企画そのものが主役ではなく、料理に例えるなら、テーマを活かし地域や歴史などの素材を美味しく料理するものとして、企画があると考えています。
「謎解き」はなににでも合う魔法の調味料のようなものなので、今回は「京都」、そして「博物館」という舞台、「明治維新150周年」や「番組小学校」という素材を取りまとめて、それぞれの素材の魅力を引き出しながら美味しく料理していただけました。
もし次にやるとしたら、その時の「旬の食材」を使って、美味しく料理していただけるような作品にしたいですね。
---Q8.「国際博物館会議京都大会」についてご紹介ください。
はい。国際博物館会議は通称「ICOM(アイコム)」と言い、約140か国、4万人以上が所属する、世界で唯一最大の博物館の国際組織です。
「そもそも博物館とは何か。どう活動すべきか」という国際基準を示したり、有形・無形文化遺産の保護を推進したり、若手や開発途上国での博物館専門家の人材育成に努めたりしています。
ICOMでは3年に1回、世界大会を開催しており、今年(2019年)9月の京都大会は、日本初開催となる大会です。その記念で、京都のミュージアムでは様々なイベントを企画していますので、色々覗いていただきたいですね。
※国際博物館会議京都大会は、大会史上最高となる約4600人が参加し、熱心な議論が交わされ、国内外の交流も活発となって大変盛り上がったということです。盛大な開催、おめでとうございました!
京都謎解きミュージアム巡り「古き学び舎と封印の石」は2019年1月17日~3月26日まで開催いたしました。
たくさんの方にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
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